【建設業】銀行に粉飾決算を開示し、金融支援を取り付けた事例

事例概要

 

銀行にリスケジュールを依頼する際に過去の粉飾決算を説明。
経営改善事業計画を作成し、金融機関からの支援を取り付けることに成功。
抜本的な経営改善の効果があり、3年後からは一部元金の支払いも開始できた。
固有の社名が特定されない表現になっておりますが、情報の性質上ご容赦ください。

お客様が抱えている課題

 

損益面:実態は5期連続の赤字

    同業他社より粗利率が低く、現場の管理もできていない。

 

財務面:借入月商倍率は6ヶ月程度

    粉飾決算により、実態債務超過の額が▲6,500万円

    銀行融資は粉飾決算を行い受けていたが、既に限界がきている。

 

組織面:社長がなんでも自分で行おうとする為、逆に会社には悪影響が及んでいる。

 

具体的な相談内容

粉飾決算を続けている為、実態の会社の状況が把握できない。

とにかく、現状の会社の問題点、改善点を把握したい。

資金繰りの抜本的な改善を行いたい。

 

負債状況

金融機関借入  1.4億円

実態債務超過▲6,500万円

借入月商倍率6ヶ月

業種 建設業
年商・企業規模 年商2.8億。従業員8名 創業60年
業績傾向

創業60年の建設業 現在は3代目社長

粉飾決算により融資を受けていたが限界がきている

取り組み

①会社の現状、実態の把握
②実態の決算書を作成
③経営改善計画書の作成
④銀行へ粉飾決算の開示を行い、金融支援(リスケジュール)を依頼
⑤企業組織の改善(社長の企業運営方針の改善)
⑥現場ごのと工事管理による原価管理(粗利改善)

コメント

今回の事例は銀行に粉飾決算を開示するタイミングで粉飾決算から脱し、
経営改善に成功した事例でした。
ポイントは
①銀行へリスケジュールを依頼する際に粉飾決算を全て開示した点
②銀行へ粉飾決算を開示する際に、経営改善計画書を作成し説明を行えた点
③経営改善に辺り、社長自身が変わることができた点
などが挙げられます。
その中でも「粉飾決算から脱することができた点」が挙げられます。
中小企業の中には粉飾決算を行い融資を受けている企業もあります。
多かれ少なかれ何かしら粉飾決算を行っている企業は多くあります。
しかしながら、粉飾決算によって融資を受けた会社はどこかで限界がきしまいます。
その理由が、「抜本的な改善は後回しにし、融資を受ける為だけに小手先な対応を
しているから」です。
今回の事例は、銀行へ開示することで、粉飾決算から脱却し、抜本的な経営改善を
社長は決断しました。
この決断が大きな転換点となり、その後は経営改善計画に基づいて抜本的な経営改善を
行い、3年後には銀行への一部返済も開始し、現在は通常債権として金融機関からの
折り返し融資も再開できる状況まで改善しました。