銀行が見る適正在庫の見方とは?
カテゴリ:資金繰り
今回は「資金繰り改善のポイント 銀行が見る適正在庫の見方とは」
についてお伝えします。
回転期間が長ければ、在庫過多と判断されます
必要な量は最低限、保有しながら、いかに在庫を少なくするか、
そして在庫として保有する期間を短くするか。
そのノウハウを自社に作っていくにあたってまず必要なのが、
在庫の金額を把握することです。
在庫金額を把握する方法とは
在庫の金額を把握する方法には、帳簿棚卸と実地棚卸とがあります。
帳簿棚卸は、
帳簿上で在庫金額を把握することであり、在庫を仕入れたら帳簿にプラスで記録する、
在庫を販売したら帳簿にマイナスで記録する、このようにして現時点での在庫金額を
把握していきます。
そして実地棚卸で、実際の在庫の現物の量を把握して金額を算出し、
帳簿の在庫金額と合っているか、突き合わせをします。
実地棚卸は、在庫の現物の量を数える必要があるため、これを行って在庫金額を把握します。
在庫金額を常に把握できるようにしたら、在庫の量を減らしながら
最低限の量は保有できるように、在庫管理、在庫発注のノウハウを作っていきます。
在庫発注の方式として代表的なものに、定量発注方式と定期発注方式とがあります。
●定量発注方式…在庫が発注点の量を下回ると、定量を発注する方式
●定期発注方式…安全在庫量を決め、そこに達するまでの量を、定期的に発注する方式
不良在庫について
また、在庫の中には、長い期間が経ってもなかなか売れないものがあります。
これは不良在庫と呼ばれます。
不良在庫は、販売できずに在庫として眠っている間、
なかなか現金化できないことになります。
不良在庫をそのまま眠らせておくと、資金繰りは圧迫されることになります。
この場合、仕入価格より販売価格の方が下がることを覚悟で、
不良在庫を売却していくことを考えます。
どのみち、通常価格では販売できないものです。
安い価格でも販売できるのなら、それで販売し、
在庫の状態から現金の状態へと変えていきます。
損失が出ても、それは帳簿上のことであり、現金が入ってくるため、
資金繰りは良くなります。
また黒字企業の場合、不良在庫の放出により黒字額を減らせば、節税になり、
その分だけさらに資金繰りに寄与します。
金融機関は在庫をどのように見ているか
貸借対照表に載っている在庫の金額が多いと、融資審査を行う金融機関は気になるものです。
金融機関は、業種ごとに、平均の在庫回転期間を把握しています。
そして在庫回転期間が業種平均より明らかに長ければ、
その企業は在庫過多、という見方をします。
不良在庫の売却による損失により、赤字決算となった場合。
赤字決算は企業の価値を下げるものですが、
不良在庫の売却の影響を和らげなければなりません。
決算書を金融機関に説明する時に、その影響でどれだけの損失が出たのか
説明するようにし、金融機関に理解を求めるようにします。
在庫回転期間の計算方法
在庫回転期間=棚卸資産÷(売上原価÷12ヶ月)
例)売上原価2億8,800万円 棚卸資産4,800万円の企業
在庫回転期間=4,800万円÷(2億8,800万円÷12ヶ月)=2ヶ月
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