取引信用保険で貸倒れのリスクに備える具体的事例

カテゴリ:資金繰り

 

 

コラム「資金繰り改善のポイントとは」

 

 

「資金繰り改善」編

 

今回は「資金繰り改善のポイント 取引信用保険で貸倒れのリスクに備える具体的事例」についてお伝えします。

 

 

得意先の信用状況を探る

 

 

得意先への売掛金が貸倒れたり受取手形が不渡りとなったりした場合、自社の資金繰りに

大きな悪影響が及びます。

 

その悪影響を少しでも防ぐための備えとして、保険商品の活用という手もあります。

 

取引信用保険という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

 

取引信用保険は、ヨーロッパで展開してきた、損害保険会社の保険商品で、得意先が倒産して売上金や

受取手形などの売上債権が回収できなくなった場合に保険金が支払われるものです。

 

保険料は、売上高をベースとした場合、0.1~1.0%となります。

 

業種や、回収サイト、過去の貸倒れの経験、得意先の社数、得意先の信用度、などの要因によって

異なってきます。

 

保険会社に対し、無料で保険料の見積りをとることができます。

 

 

取引信用保険の契約内容は

 

 

また取引信用保険は、信用が不安な取引先だけを選択して契約するわけではなく、原則として、

全ての得意先を対象として契約する必要があります。

 

ただ、売上高の上位20社、売上債権の残高が100万円以上、一部の支店の得意先、というように、

客観的な基準によって得意先を限定することはできます。

 

しかし信用情報機関の評点が低い得意先とか、遠方の得意先、手形取引をしている得意先、

回収サイトが100日を超える得意先、というように、貸倒れリスクが高いという基準では

限定できません。

 

取引信用保険は、継続的に売上を上げている取引が対象となり、短期間だけのスポット的な

取引は対象となりません。

 

そして得意先企業ごとに、貸倒れとなった場合の保険金支払の限度額が、

保険会社の判断により決められます。

 

しかしすでに売上債権が延滞している得意先は対象外となります。

 

関係会社、官公庁、地方公共団体に対する売上債権も対象外となります。

 

また保険期間中であっても、取引先の信用状態が悪化した場合は、その支払限度額が減額、

消滅することがありますが、減額、消滅前の取引による売上債権は変更前の支払限度額で

補償されます。

 

なお、得意先に取引信用保険をかけていることは知られません。

 

取引信用保険は、保険会社により得意先1社1社の、保険金の支払限度額が設定されるため、

得意先の信用状況を探る手がかりの1つとして見る、という使い方もできます。

 

※近年は上記で記載した内容と異なる形態で取引信用保険を取り扱っている企業もあります。

 

 スポット契約可など上記記載している縛りがない商品を取り扱っている会社もございます。

 

 

取引信用保険の例

 

 

三井住友海上火災保険株式会社「簡易型取引信用保険」の概要

(同社2004年9月21日ニュースリリースより)

 

(1)  補償内容

中小企業(含む大企業の子会社)が有する売上債権の貸倒リスクを包括的に補償。

 

取引先の信用状況により設定する支払限度額は、1取引先あたり最大10百万円、

保険対象とする取引先数は、最低15社以上としています。

 

 

(2)  契約対象業種

製造業・卸売業等の中小企業で、売上高の規模は問いません。

 

 

(3)  具体的な保険料イメージ

 

業種:食料品卸売業 年間売上高:5億円 売掛債権残高:1億 取引数:50社

 

→支払限度額の合計:6,000万円 年間保険料:98万円~120万円