得意先の倒産兆候を見分ける3つのポイントとは?
カテゴリ:資金繰り
コラム「資金繰り改善のポイントとは」
「資金繰り改善」編
今回は「資金繰り改善のポイント 得意先の倒産兆候を見分ける3つのポイントとは?」についてお伝えします。
まずは信用調査会社とお付き合いを
得意先が倒産してしまったら、あなたの会社の、その得意先に対しての売掛金が回収できなくなり、
また受取手形が不渡りとなってしまいます。
そうなると、自社の資金繰りに大きな悪影響が出ます。
そうならないように、日頃から、得意先に対して倒産の兆候がないか情報収集し、倒産の兆候が
あれば取引金額を縮小するなど、気を付けておきたいものです。
では、どのように情報収集を行うとよいのでしょうか?
まず、信用調査会社と付き合うようにするとよいです。
つき合うとあなたの会社に担当が付き、調べたい企業の調査報告書を入手したり、電話で問い合わせると、
情報を教えてくれたりするようになります。
そのような付き合いが信用調査会社とできていると、とても心強い存在となってくれます。
またその得意先企業の本社が自社所有の土地や建物であれば、その土地や建物の登記簿をとってみます。
そうすると、どこの金融機関から担保が設定されているか分かりますし、差押えがされているということは、
その得意先は大変厳しい状況である、と考えてよいでしょう。
その得意先からの売掛金が、入金締切日に入金にならなかったり、延長、分割支払をお願いされたりすると、
厳しい状況と考えられるでしょう。
また回収サイト(得意先から見たら支払サイト)を延ばすお願いをされたり、手形で支払う割合を増やしたいと
依頼されたりすると、得意先企業は厳しい状況と考えられるでしょう。
またその得意先を観察することにより、倒産の兆候を見ることができます。
人の面、物の面、情報の面で、次の兆候が見えたら、警戒しましょう。
人の面の兆候
経営者が公職・ゴルフ等に力を入れ、本業をおろそかにしている。
→経営者が現実逃避に走っている可能性があります。
役員や幹部が不透明な理由で退職した。特に経理部長など、財務を把握している人の退職は要警戒
→資金繰りが厳しい状況が一番分かるのは、経営者とともに経理部長など経理部門です。
その人の退職は要警戒です。
経営者が、株式投資に走るようになった。突飛な儲け話に関心を示すようになった。
→一発逆転の策として株式投資や儲け話に走りがちです。
経営者や経理担当者の不在が多い。
→資金繰りに走っているのかもしれません。
従業員の定着率が悪い。モラルが低下している。職場内の活気に乏しい
→資金繰りが厳しい、業況が厳しいと、社内の雰囲気も悪くなります。
経理系がよく交替したり、ぐちをこぼしたりする。
→粉飾決算の指示など、経営者が無理を経理係に押し付けている可能性があります。
仕入先や外注先の大きな変更がある。
→一足先に危険な兆候をつかんだ仕入先や外注先が逃げたのかもしれません。
物の面の兆候
在庫が増えた。
→在庫が増えると資金繰りを圧迫します。
製造業であれば、工場の稼働率が低下している。
→売上が減少している可能性があります。
倉庫などに不良在庫・返品商品のようなものが多数見受けられる。
→在庫が増えると資金繰りを圧迫します。また返品により売上減少につながっている可能性もあります。
店舗であれば、客の入りがいつも少ない。
→売上が芳しくなく赤字となっている可能性があります。
所有不動産を明確な理由がないのに売却した。
→少しでも現金を作ろうと手当り次第に売っているのかもしれません。
所有不動産の不動産登記簿を見ると、差押えがあった。ノンバンクや仕入先等に担保の差し入れをした。
→ノンバンクから借入を行う場合は金利が高く、それでしか調達できなかった理由があります。また危険な兆候を察知した仕入先が担保を要求した可能性があります。
情報の面の兆候
同業者・仕入先・販売先・出入りの業者等から悪評が聞かれる。
→この悪評の情報源は社員である可能性が高いです。
風評被害がでる情報源で一番多いのは従業員とよく言われています。
その様な面からも社内の環境等にも影響がでている証拠です。
このような兆候をいち早く察知し、資金繰りに大きな影響がでないように日々の取引先の与信管理にも気を向けましょう。