融通手形を利用し、赤字補填をする企業にならない為のポイントとは?
カテゴリ:銀行融資
融通手形の実態とは
融通手形を行う経営者の多くは、銀行からの資金調達ができずないことがきっかけです。
つまり、「資金繰りの悪化」と「赤字の補填」です。
資金繰りが困難な時に、知人の会社に手形を振り出してもらい、
その手形を割引くことで資金調達を行ってしまうのです。
当たり前ですが、融通手形で資金調達をした経営者は「借りたものはしっかりと返す」
ということで融通手形に手を出してしまいます。
しかしながら、実態としてはなかなか返済ができず、返済の為に再度手形を
振出してもらうなど、融通手形による資金調達の残高はみるみる大きくなるのが
現実です。
結局、当初は少額であった融通手形による借入資金も半年、
1年後には何十倍にも膨らんでいることが殆どです。
気づいた時には、すでに取り返しのつかない状況であり、返済は困難な状況です。
融通手形が銀行にバレるとどうなるか?
融通手形の特徴としては、
振出日や支払期日が手形振出し企業のいつもの場所と異なる
全く商取引がない(業務に関連のない)不自然な手形
端数のない手形
など、いくつかのチャックポイントで見分けます。
銀行もその辺りの教育はしっかりと担当に行っています。
「疑いのある手形は割引かない」との方針がありますので、
そのような特徴のある手形は割引きをしません。
そして、融通手形を持ち込んできた企業に対しては、厳しく決算書の内容などを
チェックされ、追加融資を断られるケースも数多くあります。
結果、さらり資金繰りの悪化を招く状況になり、倒産してしまう企業さえあります。
結局は資金繰りが問題
融通手形を行うきっかけは「資金繰りの悪化」「赤字の補填」という理由が殆どです。
資金繰りに困っていなければ、融通手形を行う必要もないのです。
資金繰りの改善を行う上でもっと大切なことは、
① その場しのぎの対応は行わない
② 資金繰りが困難になった原因を分析し、根本を改善する
この2点につきるかと思います。
その為にも、まずは「資金繰り表」をしっかりと作成しましょう。
そしては資金繰りが厳しくなる前に早めに対策を打ちましょう。
資金繰り対策は「早く」「抜本的に」が重要です。
融通手形を依頼しようと検討する前に、まずは融通手形の恐ろしさを再度考え、
抜本的な改善ができないかどうか検討して下さい。
必ず解決策はあるはずです。