銀行が気にする「債務償還年数」と「格付け」とは
カテゴリ:銀行融資
債務償還年数とは
債務償還年数とは、銀行からの長期・短期借入の総額を
キャッシュフローで割った数値を言います。
計算式は
債務償還年数=(要償還債務-現預金)÷キャッシュ・フロー
要償還債務とは、[有利子負債-所要運転資金]です。
下記、金融検査マニュアルに運転資金に関してはこの様に記載されています。
一般的に、卸・小売業、製造業の場合の正常な運転資金の算出式は
以下のとおりでありますが、算出に当たっては、売掛金又は受取手形の
中の回収不能額、棚卸資産の中の不良在庫に対する貸出金は正常な運転資金とは
認められていないことから、これらの金額に相当する額を控除の上、算出することとする。
正常な運転資金(所要運転資金)
=売上債権[売掛金+受取手形(割引手形を除く)]
+棚卸資産(通常の在庫商品であって不良在庫は除く)
-仕入債務[買掛金+支払手形(設備支手は除く)]
銀行審査で見る債務償還年数とは
ポイントは所要運転資金と現預金は差引いて見ているという点です。
銀行の審査では、追加融資をした際に金融検査マニュアルで定めている
「債務償還年数」が10年以内かどうかという点を見ています。
これは、詳細は各銀行で異なりますが銀行は債務償還年数によって
取引先企業を格付けしており、その基準が「10年未満は正常先」
「10年以上20年以下は要注意先」「20年以上は破綻懸念先以下」
と定められているからです。
銀行融資では「格付け」が重要とは
融資審査では銀行内の「格付け」が大きく影響してきます。
簡単に言えば、
「正常先」に関しては積極的に営業活動を行い、新規融資などを
持ちかけていきます。
「要注意先」に関しては様子見のスタンスを取ります。企業側から
融資の申し込みがあった際は、返済能力(キャッシュフロー)や
債務償還年数、業界動向(外部環境)、資金使途などを冷静に判断し、
融資の可否を決めます。
この際に、事業計画書などを提出しているかどうかも大きなポイント
です。
「破綻懸念先以下」に関しては、融資は難しいです。
では、この格付けはどのように決まるのでしょうか?
答えは「決算書」です。
これが「銀行融資の8割は決算書で決まる」と言われる所以なのです。
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