銀行「格付け」と「融資」の関係とは
カテゴリ:銀行融資
「銀行との関係も良好でも、なかなか希望額の融資がおりない」
という声をよく聞きます。
銀行はある基準を元に融資をするか、しないかをシビアに判断します。
その基準というのは銀行が行う格付というものです。
ではその格付とはどういうものでしょうか?
そもそも銀行格付とは
銀行が各企業に対して格付を行う理由は、
銀行は融資貸出先に対して、適切な貸倒引当金を積むためです。
厳密に言えば、融資の貸出先以外にも、
有価証券・外国為替・支払承諾にも引当金を積んでいます。
銀行は各企業に対して、6つの債務者区分を設けて格付を行っています。
皆様も聞かれたことがあるかと思いますが、
「正常先」
「要注意先(要注意先)」
「要注意先(要管理先)」
「破綻懸念先」
「実質破綻先」
「破綻先」
の6つです。
「正常先」の融資に対しては貸出債権額の1%程度、
「要注意先」には3~5%程度とそれぞれの格付に応じて
貸倒引当金を積んでいるのです。
※あくまでも上記数値は平均的なものです。
各金融機関によって相違があります。
そして、この格付によって銀行の「融資額」や「金利」が決まっているのです。
銀行によって格付は違うのか
銀行によって格付は違います。
銀行の格付は「定性評価」と「定量評価」の2つで決定します。
「定性評価」とは、経営者の能力、業界の特性、従業員や自社の技術力など、
数値では判断できない評価を言います。
言い換えれば、担当者の見方によって評価は変わります。
「定量評価」とは、決算書等の数値から判断される評価です。
それぞれの項目、例えば「自己資本比率」「債務償還年数」などで
評価をしています。
つまり、どの銀行で評価しても変わりはほとんどないと言えます。
では、各銀行で格付が違うのはなぜか?
それは、どの程度「定性評価」を加味するかで変わってくるのです。
メガバンクなどは100%「定量評価」と言われています。
その分、銀行融資の審査なども厳しいです。
地銀クラスは90%「定量評価」+10%「定性評価」、
信金・信組は80%「定量評価」+20%「定性評価」と言われています。
もちろん、各銀行によってその比重は違ってくるので、
格付にも違いが出てきて当然と言えます。
格付を上げるポイントとは
上記の定量評価の比重を見て頂ければわかるように
「決算書」で格付の8割は決まっています。
つまり、融資の可否の8割は決まっている ということなのです。
逆を言えば、決算書の内容が良ければ格付は上がり、
融資にも大きくプラスになるということが言えます。
銀行は定量評価を行う際にいくつかの項目で判断しているとお伝えしましたが、
全ての項目に対して平等に評価しているわけではありません。
重点的に評価している項目は
「自己資本比率」
「ギヤリング比率」
「自己資本額」
「債務償還年数」
「インタレスト・ガバレッジレシオ」
「償却前営業利益」
です。
※あくまでも上記項目は平均的なものです。各金融機関によって相違があります。
個別の計算式については割愛させて頂きますが、上記の項目に関連する数値は
日ごろから意識しておいた方が良いでしょう。
また、銀行は「定性評価」を行う際は、「実態」で決算書を評価します。
よって、粉飾決算や不良資産がある際は除外して評価しています。
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