経営者は連帯保証から外れられるのでしょうか?1/2
カテゴリ:経営者保証
今回から計7回に分けて「経営者保証ガイドラインが会社を変える」をお伝え致します。
このコラムは弊社発行の「納税通信」に過去に掲載されたコラムを抜粋したものです。
第1回は
「経営者は連帯保証から外れることができるのか?」
です。
ここでのポイントは・・・
「経営者保証ガイドラインの内容について理解をする」ことです。
以下、5つのポイントがあります。
1. 法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離されている
2. 法人と経営者の間の資金のやりとりが、社会通念上適切な範囲を超えない
3. 法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断し得る
4. 法人から適時適切な財務情報等が提供されている
5. 経営者等から十分な物的担保の提供がある
以上が金融機関等における経営者保証徴求の要否を検討すべき要件です。
上記のことを踏まえて、コラムをお読み頂ければより
経営者保証について理解も深まるかもしれません。
経営者でも連帯保証を外れることができるかも
経営者保証に関するガイドラインが2014年2月1日にスタートしました。
経済産業省によると、このガイドラインは、経営者の個人保証について、
1.
法人と個人の資産・負債が明確に分離されている場合などで、
経営者の個人保証を求めないこと。
2.
多額の個人保証を行っていても、早期に事業再生や廃業を決断した際に
一定の生活費等を残すことや、華美でない自宅に住み続けられることなどを検討すること
3.
保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除すること
この10年で、連帯保証人問題は大きく改善されました。
2005年に包括根保証、つまり限度額の定めがない保証契約は禁止されました。
2006年には信用保証協会における第三者保証人徴求が原則禁止され、
2011年には信用保証協会保証付でないプロパー融資でも、銀行が企業へ融資する際、
経営者以外の第三者の個人連帯保証を求めないことを原則とされました。
そして2014年、経営者保証ガイドラインがスタートしました。
今までは、中小企業が融資を受けるにあたって、経営者はほとんどの場合、
連帯保証人とならなければなりませんでした。
その理由としては、第一に経営者への規律付けがあります。
企業から経営者個人に資産を移し、一方で企業を倒産させて銀行への返済が
できなくなっても、経営者個人が豊富な資産を抱えたままというのは大きな問題であり、
経営者も保証人となることが要求されます。
また、経営者はいくらかの資産があれば、保証人として企業の信用力の補完になります。
そして、中小企業にありがちな粉飾決算の問題。粉飾決算で融資を受ける企業は
とても多く、経営者を保証人とすることにより、銀行は経営者に、
決算書の信頼性に責任を持たせてきました。
それがこのガイドラインにより、今後は、経営者が保証人とならない融資が拡充されたり、
既存の融資で経営者の連帯保証を外せる可能性が出てきたりします。
このガイドラインの構成は、大きく2つに分かれます。
一つは保証契約においてのガイドライン、
もう一つは保証債務を整理する時の手続きについてです。
経営者は連帯保証から外れられる? 2/2 へ続く・・・