経営者保証ガイドラインは事業承継に有効 1/2
カテゴリ:経営者保証
「経営者保証ガイドラインが会社を変える」
第3回は「ガイドラインは事業承継に有効」についてお伝えします。
>第1回 経営者は連帯保証から外れられるのでしょうか?1/2
>第2回 経営者保証を外す要件 1/2
第1回、第2回のコラムでは経営者保証ガイドラインの内容
及び要件についてお伝えしました。
第3回目のコラムからは個別具体的な要件に関して、経営者保証ガイドラインが
どのような影響を与えるのかについてお伝えいたします。
今回は「事業承継」に与える影響についてです。
長文になりますので2回に分けてお送りいたします
事業継承時における経営者保証ガイドライン
経済産業省の調査によれば、
全国の中小企業数は2009年に約420万社あったのが、
2012年は約385万社にまで減っているとのことです。
そして東京商工リサーチによれば、
2013年に休廃業か解散となった企業数は約3万社と、過去最多だったとのことです。
一方で東京商工リサーチによれば、
2013年の全国企業倒産件数は22年ぶりに1万1千件を下回ったとのことです。
「倒産」と、「休廃業」・「解散」との違いは、
「休廃業」は資産が負債を上回った状態での企業活動の停止、解散は
登記上解散をした場合を言い、休廃業・解散では残った負債を整理する
プロセスは不要であり、破産や特別清算のような倒産とは違います。
「倒産」は大きく減少している中、企業数も大きく減少しているのは、
休廃業・解散を行う企業が増加しているからです。
そしてなぜ休廃業・解散が増え続けているのか。
それは、経営者の高齢化の問題が大きいです。
経営者が高齢になり、70、80歳ともなれば、当然、後継者に後を継がなければなりません。
しかし後継者がいなければ、会社は廃業するしかありません。
中小企業白書によれば、小規模事業者の6割は、後継者難が廃業の理由とのことです。
後継者は事業継承時に、企業が銀行から借りている融資の連帯保証を引き継がなければなりません。
保証人としてのプレッシャーは相当なものでしょう。
それであれば、なかなか後継者になりたい人は現れません。
つい先日の日経MJ(8月10日号)にも60代社長の53%が後継者不在という記事の掲載がありました。
その記事の中では「不動産業」に関しては、「建設業」「製造業」「卸売業」など
その他業種よりも後継者が既にいるというデータが掲載されていました。
恐らく不動産賃貸及び管理の収入である程度売上が見込め、
融資に関する担保もしっかりとしているので、
後継者の方も安心して経営を引継げるのでしょう。
つまり、連帯保証のプレッシャーはあるものの担保や売上が見込める為、
連帯保証に対するプレッシャーの軽減になっていると考えられます。
同じように経営者保証ガイドラインは、後継者難の最大のハードルである
連帯保証の問題を解決していくための解決策の一つとなるでしょう。
後継者候補が事業を継承するのに躊躇する理由の一つである、経営者保証の問題。
このガイドラインが機能していけば、後継者は保証人とならなくてよいケースが増えていくことでしょう。
では、後継者が事業承継時に保証人にならなくても良いようにするためには
どうすればよいのか?
経営者保証ガイドラインは事業承継に有効 2/2 で説明いたします。