融資の稟議書の意味(1)

カテゴリ:銀行融資

 

コラム「中小企業と金融機関」融資編

 

 

今回は「融資の稟議書の意味」についてです。

 

 

稟議書とは

 

 

経営者の方も稟議書について聞いたことはあるが、どのような内容であるのかあまり知らないのではないでしょうか。

 

「稟議書」とは、得意先係(銀行の営業のこと)がお客さんの企業のところでまとめてきた融資案件に対し、本当に取り組んで良いのか審査するためのたたき台となる書類です。

通常、得意先係が受け付けてきた案件は、得意先係が稟議書を作成します。

それを得意先係の上司→融資係のヒラ→融資係の役席(係のトップのこと)→次長→支店長、と回覧し、支店長が融資案件取組を「可」としたら、小さな金額の案件は融資実行となり、大きな金額の案件は、本部の審査部に稟議書が回され、またじっくりと案件を審査されます。

審査部長まで「可」となれば、融資は実行されますし、頭取まで回される案件もあります。

 

 

稟議書の中身について

 

 

■融資を依頼している企業情報

事業内容、企業の沿革、代表商品など

 

 

■業績

ここ3期の決算の内容(損益計算書・貸借対照表の分析)と、最新の試算表の内容について

 

 

■案件の内容

例えば、「証書貸付・期間3年・毎月分割返済」など。また、その条件で取り組む根拠。

その他運転資金など、資金の使い道について。

 

 

■金利

何%の金利で貸出をするか、また固定金利か変動金利か。銀行では、企業の格付(財務内容によって決められる)によって基準となる金利が決まっており、それに比べて今回付けようとしている金利は何%上回っているか、または下回っているか。

 

 

■返済の安全性

これは、毎年の全銀行への返済金額の合計が、キャッシュフロー(当期利益+減価償却費)で単純に計算される場合が多いものです。

企業が営業活動を通じて現金で入手できる大体の金額のこと)を下回っているか。

 

 

■保全

貸出残高の総合計と、担保の価値(担保は不動産・株式・預金・ゴルフ会員権などがあります)を比べ、もし融資している企業が倒産した場合、いくら担保を処分して戻ってきそうかを計算します。

 

 

■意見

担当者が自由に意見を書きます。特に、得意先係が今回の融資を機会に何を狙うのか(優良な融資先への融資量の拡大・手数料が儲かる振込を我が銀行にたくさん持ってきてもらうなど)は、とても重要なポイントです。

 

 

経営者の皆さんや、財務担当者の方は、銀行に融資をお願いすることがあれば、いざ融資を受けようとするとき、これからのことを銀行の担当者がイメージしやすいように話をしてみて下さい。

 

 

まとめ

 

 

「稟議書」どんなに少なくても最低3名の目には触れるものです。

融資を受ける上では、稟議書の良し悪し、つまり担当者の良し悪しで融資の可否が決まってしまう可能性もあります。

「どうもわが社の担当者は…」と思われる経営者様もいらっしゃるのではないでしょうか?

その様な担当者が我が社の担当となった時はどのような対処方するべきなのでしょうか?

これは、しっかりと担当者とコミュニケーションを取ることも重要です。

さらに言えば、書面を通してしっかりと会社のことを伝えることです。

そのツールとしては、「事業計画書」が一番良いと考えます。

会社の内容、今後の事業収支や設備、人員などの計画を説明し、なおかつ書面で誰が見ても漏れなく伝わるという優れものです。

少しでも不安のある方は、事業計画書の作成をお勧めします。

金融機関とのコミュニケーションツールとしては「決算書」や「試算表」と同等に有効なツールですよ。

また、事業収支計画と試算表による予実管理を金融機関に継続して行うことで金融機関もしっかりとした会社だなと好印象を持つことでしょう。

 

是非、試してみて下さい。