銀行の融資スタンスを知る
カテゴリ:銀行融資
今回は「中小企業と金融機関」融資編
「銀行の融資スタンスを知る」についてお伝えします。
銀行が融資の提案を突然しなくなったとき
今まで融資を提案してくれてきた銀行が、
最近、新規融資を提案してくれない . . .
経営者としては、寂しい思いをするとともに、「自分の会社は、
ひょっとしたら銀行からもう融資をうけられなくなってしまったのではないか?」
と、考え込んでします方もいらっしゃることでしょう。
今まで新規融資の提案をしてきてくれていた銀行が、
最近、提案してくれなくなった。
これには、次の2つの要因が考えられます。
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1. 銀行の融資スタンスが変わった場合
2. 最近の決算書で、銀行の自社への見方が変わった場合
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この2つについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
ケース1:銀行の融資スタンスが変わった場合
これをさらに細分化すると、大きく2つに分けることができます。
1. 銀行自体の融資スタンスが変わった
2. 支店長が代わり、その支店の融資スタンスが変わった
また、時期によっても、銀行の融資スタンスが大きく変わることがあります。
今まで融資に積極的だった銀行が、不良債権の増加により、
消極的になってしまうことがあります。
不良債権が増加してしまえば、銀行の資産としての貸出金(融資)の価値が
毀損し、自己資本比率規制で自己資本比率を一定に守るため、
新規融資の審査に慎重になります。
また、最近では、5年前と比べて、現在のビジネスローン(コンピューターが
審査する融資「スコアリングによる融資」とも言います)の審査はとても
厳しくなり、なかにはビジネスローン自体をやめてしまった銀行も
少なくありません。
コンピューターによる甘い審査により、ビジネスローンで多くの貸倒れを
出してしまったのが原因です。
このように、社会の情勢や、銀行自身の財務状況などにより、
銀行の融資スタンスは変化するのです。
ケース2:最新の決算書で、銀行の自社への見方が変わった場合
銀行が融資審査において最も重視するのは、決算書です。
新しい決算書ができて、その決算書を見た銀行は、
自社への融資のスタンスを厳しくしたのかもしれません。
そういう状況下で新しい融資を出してもらうのが困難であれば、
別の銀行に融資を申し込んでみることです。
それでもどこの銀行からも融資が困難であれば、今後の売上や事業の見通し、
資金繰り等を考慮し、リスケジュール、つまり返済の減額や猶予を行う交渉を
早いうちに行っておくことも選択肢の1つとして考えておきましょう。
そのような次の手が遅くなって資金が不足してしまえば、大変な事態になります。
そうならないよう、
新しい決算書ができたら早いうちに銀行の
自社への融資スタンスを見ておきたいところです。
銀行の自社への融資スタンスを見るため、決算期が過ぎ、
新しい決算書が出来上がったら、1つ試してみるといいことがあります。
以前のコラムでもお伝えしたように、新しい決算書を元に銀行に融資を
申し込んでみて、銀行の融資スタンスを探ってみることです。
銀行のスタンスを探る詳細はこちらよりご確認ください
常に融資スタンスを気に留めた経営を
以上、今まで新規融資の提案をしてきてくれた銀行が、
最近、提案してくれなくなった2つの要因、それと新しい決算書で
銀行の融資スタンスを見ておくことが重要であることをまとめました。
自分の会社は、融資は受けられるのか受けられないのか、
今後の事業展開や継続性を考える上でも、銀行の自社への融資スタンスを
常に気に留めておきましょう。
また、毎年1度作成される決算書についても、どのような決算書であれば
銀行から評価をして頂けるのかということも意識しながら決算書作成に
取り組まれることをおすすめ致します。
その為には新しい期を迎えるにあたってしっかりとした事業計画を
立てる必要があるでしょう。
次回では「銀行が融資しやすい企業になる秘訣」をお伝え致します。
決算書で重視される指標など金融機関が見る決算書のポイントなども
交えながらお伝えします。