粉飾決算で融資を受けた企業の顛末とは?

カテゴリ:銀行融資

 

 

 

金融機関から融資を受けやすくするために、粉飾決算を行い、融資を引き出す。

次の決算で正式な決算に戻せばいだろう…

 

 

このような粉飾決算で融資を受け、その後、発覚した場合どのようになるのでしょうか?

 

 

実際に粉飾決算を行っていた企業の例

 

 

実際の事例を元に見ていきましょう。

 

A社は25年3月期、当期利益は▲4,000万円の大赤字でした。

 

 

それを粉飾決算により4,500万円の利益の上乗せを行い、

当期利益500万円と黒字に見せています。

 

 

しかし、

粉飾決算は、損益で調整した分、貸借対照表でも調整しなければなりません。

 

 

A社は本当の売掛金が5,500万円ですが、

そこを粉飾して4,500万円上乗せして1億円にしたのです。

 

 

また、純資産の2,500万円ですが、粉飾決算を行わなければ、

ここから4,500万円引いて、純資産▲2,000万円となり、債務超過の状態です。

 

 

そして本当は当期利益▲4,000円と赤字を出していますので、

足りない分は借入金で補填します。

 

 

この企業の借入金は1億2,000万円から1億7,000万円へと5,000万円増えています。

 

 

このような粉飾決算は、決算書を見慣れている銀行員からすれば

すぐに怪しいと分かります。

それ以降は新規融資を出さないようにするでしょう。

 

 

しかし、中には怪しいかどうか分からない銀行員もいます。

最近はコンピュータで決算書を分析することが多いので、

決算書をじっくり見る習慣がない為、このような粉飾に気付けないのです。

 

 

そして粉飾決算をしている企業に融資を行い、

銀行は深みにはまってしまうというケースもあります。

 

 

企業としては、銀行に粉飾決算を気づかれず、

融資を出してもらえるのは良いことです。

 

 

しかしながら、

 

「自社の融資が膨れ上がったのは、粉飾決算に気づかなかった銀行が悪い」

 

と言って、銀行のせいにする経営者もいますが、

自分が粉飾決算で騙しておいて、銀行のせいにするのは酷です。

 

 

A社の場合、25年3月期は本来なら当期利益▲4,000万円ですから、

次の期は大きく経営改善をして、当期利益を黒字にして黒字回復しなければなりません。

 

 

しかし、粉飾決算で融資を受けられた経営者は、

現金を手に入れたことで安心してしまい、経営改善を後回しにします。

 

 

赤字が続く原因ですが、粉飾決算を行っていて決算書の見栄えは良いわけですから、

またそれで融資を受けます。

 

 

それは赤字補填となる融資ですから、借入金は膨らみ、いつか新規融資は止まります。

 

これは粉飾決算で債務超過に見せていない企業で数多く見られるケースです。

 

 

 

まとめ

 

 

通常の企業にとって、運転資金や設備資金として

銀行から受ける融資は、「薬」と言えるでしょう。

 

 

しかし、粉飾決算を行い、赤字補填をするために融資を受けている企業にとって、

銀行からの融資は「麻薬」となり、赤字、粉飾決算、融資が繰り返されることになります。

 

 

粉飾決算を行っている企業も、経営を立て直すことは十分できますが、

大事なことは経営者が麻薬を打ち続けていることにどれだけ早く気づけるか です。

 

 

あくまでも、粉飾決算で融資を受けることは一時的な作用しかありません。

 

 

赤字補填の為の粉飾決算であるのならば、

その赤字の原因を解明し、改善することが重要です。

 

 

小手先のテクニック等に溺れることなく、事業改善に真摯に取り組むことが

企業永続に必要なことだと理解して頂けることを切に願います。

 

 

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