しばらく融資を受けていない銀行(1)

カテゴリ:銀行融資

 

コラム「中小企業と金融機関」融資編

 

 

今回は「しばらく融資を受けていない銀行」についてです。

 

 

銀行ごとに違う融資に必要な労力

 

 

今まで融資を1度も受けたことのない、新規の銀行。

 

そのような新規の銀行から融資を受けるのは、現在融資を受けている銀行から再び融資を受けるより、ずっと大きなエネルギーが必要です。 そして、現在は融資残高がないが過去に融資を受けていた銀行。

 

この銀行は、今まで1度も融資を受けたことのない新規銀行よりはましですが、融資を受けるのにエネルギーが要ります。

 

また、現在も融資残高があるが、新たな融資の実行がここ数年ない銀行。

 

このような銀行から融資を受けるのもエネルギーが要ります。

 

これは銀行ごとに違いますが、エネルギーの順番で並べると、次の通りです。

 

 

 

① 今まで1回も融資を受けたことのない銀行

 

② 現在は融資残高はないが、過去に融資を受けていた銀行

 

③ 現在も融資残高はあるが、ここ数年、新たな融資実行がない銀行

 

④ 現在も融資残高があり、ここ最近でも新たな融資実行がある銀行

 

 

 

エネルギーの要るという意味は、第1に「融資審査が厳しいこと」、第2に「必要書類や銀行との交渉に費やす時間と労力の多いこと」が挙げられます。

あなたの会社が取引を行っている銀行を、上記の①~④のどれに当てはまるか、分けてみましょう。

銀行対策というと、①にばかり目が行ってしまいがちですが、それとともに、②や③にも目を向ける必要があります。

そして③には、次のパターンが見受けられます。

 

 

■パターンA

土地や建物の購入資金、大きな設備投資など、数年前に大きな金額の融資を設備投資で受けたが、それ以来、融資を申し込んだことのない銀行

 

 

■パターンB

数年前にその銀行の営業がやってきて融資を受けて融資取引を開始したが、担当者が代わり、その後の担当者は自社に目を向けてくれなくなった銀行

 

 

これをそれぞれパターン別に詳しく見ていきましょう。

 

 

具体例に見る銀行と疎遠になる理由 【パターンA】

 

なぜこのパターンになってしまうのかというと、設備投資の融資の返済を毎月行っていくなかで、その返済を事業で稼ぐ現金でできているならまだしも、現金で返済できなくて不足していく資金をその銀行で調達できず、別の銀行で運転資金として融資を受けて賄っていくことが多いからです。

 

運転資金で出す融資には、一括返済や1年以内の返済期間など、短期運転資金もあれば、1年を超える返済期間での長期運転資金もあります。 短期運転資金は、賞与資金や納税資金など短期間の資金不足を補う性質のものもあれば、建設業の工事引当資金など売掛金入金で一括返済するものもあります。

 

長期運転資金であれば、返済原資、つまり返済の元手は事業で稼ぐ現金によりますが、それだけの現金を事業で稼がなければ返済が進むほど手元の現金が少なくなっていき、それを補うために再び長期運転資金で融資を受ける必要があります。

 

そのため、長期運転資金で融資を出してくれている銀行においては、長期的に長期運転資金で融資を受けることになりやすいのです。

 

しかし設備投資のみで融資を出している銀行においては、設備資金で返済が進んで資金が不足してきたものを運転資金で融資を受けて補う、という理屈は成り立ちづらく、長期運転資金で融資は受けにくいのです。

 

運転資金の融資の返済が進んで足りなくなった資金を再び運転資金の融資を受けて補うことについては、銀行はやりやすいのですが、設備資金の融資の返済が進んだ分を運転資金の融資で受けて補うことは理屈づけしにくいものです。 そのため、数年前に大きな設備資金の融資を受けた銀行で、ここ数年、新たな融資実行がないパターンが見られやすくなるのです。