しばらく融資を受けていない銀行(2)

カテゴリ:銀行融資

 

コラム「中小企業と金融機関」融資編

 

 

今回は「しばらく融資を受けていない銀行」についてです。

 

 

 

今回は前回の続きでパターンBを見ていきましょう。

 

 

 

パターンB

 

 

数年前にその銀行の営業がやってきて融資を受けて融資取引を開始したが、担当者が代わり、その後の担当者は自社に目を向けてくれなくなった銀行

 

 

銀行の担当者が代わると、新たな担当者が突然自社に訪問してくれなくなることはよくあります。

銀行の得意先係(営業)は、自ら新規で融資を行った企業への思い入れは強いものです。

新規融資を行った後も、よく訪問してくれることでしょう。

 

しかしその銀行員が転勤になったら、次の担当者は自分でその企業と融資取引を開始したわけではないため、思い入れはありません。

 

担当者が代わった途端に訪問してくれなくなるのは、このパターンです。

 

しかしその銀行と長年取引している企業と違って、そのとき初めて融資取引を開始した企業であり、取引の歴史も浅いわけです。

 

その銀行と取引が長い企業であれば、担当者が代わるごとに、その企業はどういう付き合いを過去にしてきているかが引き継がれるため、その後も大事にされやすいのですが、新規融資を行ったばかりの企業にはそれもありません。

 

新規融資を受けたが、担当者が代わった後は疎遠になってしまった、このようなパターンはよく見られます。

 

 

あなたの会社から銀行にアプローチを

 

 

優秀な銀行員であるなら、【パターンA】【パターンB】 いずれのパターンの企業に対しても、融資を売り込む先の1つとして、定期的に接触を図っていくことでしょう。

 

しかし銀行員は優秀な人もいれば、そうでない人もいます。

 

優秀でない銀行員が担当となってしますと、その銀行とあなたの会社は疎遠になってしますことになります。

しかしせっかくその銀行と取引があるのですから、関係は深めていきたいものです。

 

疎遠にならないようにするためには、銀行の得意先係が定期的に訪問してくれるよう、あなたの会社からアプローチを取り、銀行員を習慣づけさせることが必要です。

 

例えば「毎月15~20日ごろに、前月の試算表を渡すから訪問して欲しい」とお願いしておけば、銀行員が訪問してくるとき、新たな融資の話をしてみるといいでしょう。

 

「既存の融資の返済が進んで現金が足りなくなったから融資を受けたい」という伝え方ではなく、「資金を潤沢に持っておきたいから新たな融資を受けたい」という見せ方で、その銀行から定期的に融資を受けるようにしておきます。

 

これにより、あなたの会社と銀行との関係は、さらに深まっていくことでしょう。

なお、預金残高が多くあるからと、今返さなくてよい融資を、まとまった金額で繰上げ返済してしまう企業があります。

 

返すのはエネルギーは要らないが借りるのはエネルギーが要るものです。

 

これを頭に入れた上で、安易な繰り上げ返済は信用に判断をしてからにして下さい。