粉飾決算を銀行にどのように開示するか?

カテゴリ:銀行融資

 

 

ここでは「中小企業と金融機関」粉飾決算編についてご紹介します。

 

 

 

粉飾決算の問題にどう対処していくか

 

 

銀行に、粉飾ではない実態の決算書を開示するとき、

今まで粉飾決算をしてきた企業は、

その後は銀行から融資を受けることが困難となります。

 

 

 

一方で既存の融資の毎月の返済負担の重さは変わりませんから、

毎月の返済額を0円近くにしてもらったり、

一括返済の手形貸付などの返済を猶予してもらったりすること、

いわゆるリスケジュール交渉を行う必要があります。

 

 

 

赤字を黒字に見せたり、ない資産をあるように見せたり、

もしくはある負債をないように見せたりと、銀行から何とか融資を受けようと、

粉飾決算をつくって銀行から実際に融資を受けている企業は多いものですが、

それもいつかは必ず限界がやってきます。

 

 

 

粉飾決算を銀行に打ち明けるかどうかは、

私の会社が中小企業の倒産回避、企業再生コンサルティングを

行っていく中で、銀行とリスケジュール交渉を行う場面になると、

いつも出てくる問題です。

 

 

リスケジュール交渉に当たって、私の会社はこれまでに

企業と一緒に資料を作成したり、交渉の場で経営者と同席したり、

1,000社以上のお手伝いをしてきましたが、

その結論は、「粉飾決算は銀行に伝えるべき」ということです。

 

 

そもそもリスケジュールを行うと、リスケジュール期間中は

その銀行から融資を受けられなくなります。

 

 

融資が受けられないのに粉飾決算のまま、という状況もあり得ないですし、

またリスケジュールは銀行の支援ですので、銀行に協力を求めるには

実態を銀行に見せて、銀行からの信頼を得るべきです。

 

 

正直に実態を打ち明けた方が、銀行としては

全てを打ち明けてくれた経営者として、

逆に信頼しやすくなるものです。

 

 

ただ、

経営者としてはどうしてもリスクを感じてしまうところでしょう。

 

 

 

銀行を刺激しない粉飾決算の伝え方とは

 

 

そこで「銀行をいかに刺激せずに粉飾決算を伝えるか」

ポイントとなります。

そのために、次のように銀行に粉飾決算の実態を伝えます。

 

 

1.

 「粉飾決算」という言葉で伝えない

 

2.

 「リスケジュールをお願いするに当たって、

決算書を精査した結果を見て頂きたい」

という表現で銀行に伝える

 

 

銀行は「粉飾決算」という言葉を聞くと、

どうしても刺激を受けやすいものです。

 

 

そうではなく「決算書を精査」という柔らかい表現で銀行と話し合うことです。

 

 

経営者としても「粉飾決算」と銀行に伝えるには

心理的な抵抗があるでしょうが、

「決算書の精査」という表現であれば、

銀行に伝えやすいのではないでしょうか。

 

 

このように実態の決算書を銀行に開示していき、

粉飾決算を行うことで銀行に対して

後ろめたい状態から脱していってください。

 

 

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