「融資審査の返事がこないとき」(1)

カテゴリ:銀行融資

 

 

コラム「中小企業と金融機関」銀行取引対応編

 

 

今回から「中小企業と金融機関」の銀行取引編をお伝え致します。

 

 

銀行がこのようなことを言ってきたら?

このような行動を取ったら?

など、よくある金融機関の対応についてお伝えできればと思います。

 

 

今回のコラムは「融資審査の返事がこないとき」についてお伝え致します。

 

 

融資審査の返事がない。銀行では一体何が?

 

 

皆さまも経験したことがあるのではないでしょうか。

 

あなたの会社が融資の申し込みをしたあと、銀行からなかなか融資の返事がないことを。

 

融資を申し込んだ方としては、1日でも早く融資を受け、会社の現預金を潤沢にして、安心したいですよね。

 

そのようなあなたの思いとは裏腹に、銀行はなかなか融資の返事をしてくれません。

 

そうしている間に、必ず資金が欲しい、という「その日」がどんどん迫ってきます。

 

このようなとき、銀行のなかでは、一体何が起こっているのでしょうか。

 

考えられる状況の第一は、銀行内で、融資の稟議書がなかなか閲覧されず、どこかで滞っている、ということです。

 

 

融資審査は、稟議方式で行われます。

 

 

つまり、融資審査についての稟議書が担当者の手で作成され、それが次の順番で閲覧されることになります。

 

 

例えば、

 

 

得意先係の担当者→得意先係の係長→融資係の担当者→融資係の係長→次長→支店長

 

 

といった具合です。

 

 

また、融資金額や、企業がその銀行から受けている融資の総額、企業が銀行から付けられている信用格付、担保の状況などにより、融資案件は、支店長で決済できる案件か、銀行の本部(審査部や融資部などと言われるところ)に閲覧される案件かが決まります。

 

支店長では融資審査を決済することができない案件であれば、融資の稟議書が支店長を通過後、本部に回覧され、本部にて融資審査の決裁がなされることになります。

 

銀行の融資稟議書の回り方の実態を見ても分かるように、融資審査の稟議書は多くの部署や担当者を回っていくので、なかなか融資審査の結論がでないのです。

 

また銀行内部の各回覧者が、次の回覧者に稟議書をすぐに回してくれると良いのですが、ある人のところで滞ってしまうことも多いものです。

 

私が銀行員時代に得意先係であったとき、自分の担当先から融資の申し込みがあって、稟議書を書くと、私の上司である得意先係長はすぐに回覧してくれていました。

 

 

問題は、融資係長です。

 

 

大抵いつも稟議書が滞るのは融資係長です。

 

融資係長は、その支店で1番念入りに審査を行わなければならない責任ある役職です。

 

そのため、融資係長のところで稟議書の中身をじっくり検討されることになり、ここで滞ってしまうのです。

 

また、一定の時期に集中して稟議書が回覧されることになると、融資係長のところで稟議書の大渋滞が起こります。

 

私もよく融資係長の机上に、稟議書が山積みにされているのを見かけたものです。

 

しかし、融資審査の稟議書がどのように回覧されているかなど、銀行はあなたに教えてくれるわけではありません。

 

そうして、融資を申し込んだ企業としては、「まだか、まだか」と、やきもきした気持ちになってしまうのです。