リスケジュールしている企業の資金調達法とは 2/2
カテゴリ:銀行融資
今回のコラムは中小企業と金融機関 銀行取引対応編
「リスケジュールしている企業の資金調達法とは」後編 についてお伝えします。
前回は「売掛債権担保融資」ついてお伝えをしました。
今回は「不動産担保融資」と「車輛のリースバック」についてお伝え致します。
不動産担保融資
不動産担保融資専門のノンバンクで融資を受けます。
銀行でリスケジュールを行っても融資を受けることができます。
銀行で不動産を担保に入れて融資を受けることとの違いは、
担保の掛け目が高いこと、不動産価値重視で審査を行うこと、にあります。
銀行での担保評価は、土地で70%辺りです。
一方、不動産担保融資専門のノンバンクは掛け目を90%辺りで見ることが多いようです。
また銀行は、担保価値よりも決算書を重視して融資審査を行います。
いくら担保となる不動産の評価が高くても、それよりも決算書の内容を
重視して審査を行うため、決算書の内容が悪ければ融資が困難となることも多いです。
一方で、不動産担保融資専門のノンバンクであれば、決算書の内容が悪かったり、
また銀行でリスケジュールを行ったりしていても、不動産担保の価値が高ければ、
融資を受けやすくなります。
このように、銀行でリスケジュールを行っていて銀行から新たな融資を
受けられないときの第2の資金調達の手段として、
不動産担保融資専門のノンバンクを使います。
銀行から融資を受ける場合よりも金利は高くなりますが、重宝するものです。
当社の顧問先でも多くで、この方法で資金調達ができております。
企業や、経営者、その家族で保有している不動産を洗い出し、
その不動産が銀行の担保に入っているかを見ると、
担保として使えそうな枠を発見することができるかもしれません。
車輛のリースバック
トラックや、バス、タクシーなど、車輛を多く保有している業種があります。
車輛をリース会社に買い取ってもらい、そこからリースを受ける方法です。
買い取ってもらうため、リース会社からその代金をもらうことができます。
その行動が資金調達となります。
その後はリースの支払いとなるため、資金の流れとしては新たに融資を受けて、
返済していくかたちと同じになります。
当社顧問先で、運輸業、トラック40台あったのですが、
それをリースバックして2,000万円調達できた事例があります。
車輛のリースバックを行うことができるリース会社は限られていますが、
運輸業など多くの車輛を保有する業種では、このような資金調達手段が
あることを覚えておき、銀行から融資が受けられなくなった場合に
どのような選択肢が取れるか、考えておくと良いでしょう。
第2の資金調達手段はリスケ、黒字化セットで
以上、銀行から融資が受けられなくなったときの、
第2の資金調達手段を3つ紹介してきました。
ここで重要なことは、銀行でのリスケジュールは必ず事前に、
もしくは同時に行うべき、ということです。
これは第2の資金調達手段は、いずれも金利が高くなります。
銀行融資のリスケジュールを行っていないと、金利が高い融資で調達した資金を、
金利が低い銀行の融資への返済に充ててしまうことになるため、本末転倒となります。
第2の資金調達は、これから会社を再生させていくとき、
そのための軍資金として使うべきであり、既存の銀行融資の返済に使うものではありません。
そのため既存の融資返済に資金が回らないよう、
必ず銀行融資のリスケジュールとセットで行います。
また当然、経営改善は伴わなければなりません。
銀行のリスケジュールでは経営改善計画書を銀行に提出しますが、
それにそって早急に黒字化する必要があります。
そうしないと、第2の資金調達手段で手に入れた資金を
赤字補填にも使ってしまうことになります。
第2の資金調達は、銀行融資のリスケジュールと、
早期の黒字化、これらとセットで行うできものです。
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