リスケジュールが継続できない場合の対処法(1)
カテゴリ:その他
コラム「中小企業と金融機関」銀行取引対応編
今回のコラムは「リスケジュールが継続できない場合の対処法」です。
中小企業金融円滑化法終了後リスケジュールが継続できない場合どうするか
金融円滑化法終了後にともない、リスケジュールしている企業が、その後リスケジュール継続できなくなった場合、どうしたらよいのか、自分はどうなってしまうのか、という不安の声が増えてきました。
金融機関へ返済を再開できないなら、リスケジュールを継続してもらうにこしたことはないのですが、もし継続できない場合、どうしたらよいかを書きました。
あくまでも事業継続が第一の選択ですが、どうしても事業の改善が進まない、金融機関へ提出した計画書通りに事業実績が上がらないなどでリスケジュールが継続できないときの選択肢に1つとして見て頂ければと思います。
そもそも不良債権処理してもらう
不良債権処理となると、
プロパー融資(信用保証協会保証付でない融資)はサービサーへの売却、
信用保証協会保証付融資は信用保証協会での代位弁済、
となります。
その過程で、不動産などの担保は競売や任意売却などで売却され換金されることになり、連帯保証人の資産へも取立があり資産を提供しなければなりません。
そしてその企業や、代表取締役には信用の傷が付き、今後、金融機関から融資を受けていこうとするのであれば大きな支障となります。
また保証協会の代位弁済の記録が保証協会に残って傷が付くため、その企業や、代表取締役が別に経営する会社が保証協会から保証を受けるのが困難となります。
このため、できればこのような不良債権処理の段階に入っていきたくないのですが、別の見方をすると、このような不良債権処理をされても、それが企業の倒産には結びつかないことになります。
サービサーへ売却された融資や、保証協会へ代位弁済となった融資は、サービサーや保証協会へ少しずつ返済していくことになります。
そのような状況で金融機関から新規融資を受けることは不可能ですが、一方で、そもそもこのような不良債権処理の段階まで行かなくても融資を受けることは困難であった状態です。
今さら金融機関からの新規融資の可能性を探っても仕方ありません。
このような状況でも、事業は引き続き行うことはできますが、大きなネックは、資金面となります。
この場合、次の方法を考えていきます。
・「第二の資金調達」の道を探る。
・支援してくれるスポンサーを探す。資本を入れてくれるスポンサー、融資をしてくれるスポンサー、仕入先となり支払条件を考慮してくれるスポンサーなど。
「第二の資金調達」とは、ノンバンクからの、売掛債権担保融資、不動産担保ローン、運輸業であればトラックなどのリースバックによる調達のことを言い、それで資金調達できないかを考えます。
金利は銀行や信用金庫に比べて高めになりますが、再生のための軍資金として確保できるならしたいところです。
スポンサーについては、自分と親しくしていた親せきや知人の会社、自分の会社と関係が深まれば相乗効果を発揮できる会社、もともとの取引先である会社などが候補となります。
このように、リスケジュール継続ができなくなって金融機関が不良債権処理に移行しても、それが倒産に直結にならず、企業は生き残ることができます。そして新たな資金が必要であったら、「第二の資金調達」を考えたり、スポンサー探しをしたりして、生き残っていく道を探ります。
次回は「会社分割・第二会社方式」その他法的な手段についてお伝え致します。