金融機関の使い分け方(2)
カテゴリ:銀行融資
コラム「中小企業と金融機関」銀行取引対応編
今回のコラムは「金融機関の使い分け方」についてです。
保証協会付融資とプロパー融資
ここからは保証協会付融資とプロパー融資の使い分けを詳しく見ていきます。
保証協会付融資とプロパー融資では、プロパー融資が受けられるなら、保証協会付融資よりもプロパー融資で受けておいた方が良いでしょう。
これには次の2つの理由があります。
・保証協会付融資には枠があるが、プロパー融資には枠はない。
・保証協会付融資よりもプロパー融資の方が審査は厳しい
保証協会付融資には枠があるが、プロパー融資には枠はないとは?
保証協会付融資の場合でも銀行は、審査を行いますが、銀行の貸倒れリスクは2割のみ負担なので、保証審査が通ったらその銀行のほうでも審査を通しやすくなります。
そのため、審査が厳しいほうであるプロパー融資で融資が受けられるのならこちらで受けて、保証協会付融資の枠は後に取っておいた方が良いことになります。
プロパー融資をどう受けられるようにするか?
では、今まで保証協会付融資のみの会社が、どうプロパー融資を受けられるようにしていくのか。
まず、銀行にとって出しやすい融資があります。
その融資には、「つなぎ資金」「季節資金」「賞与納税資金」などがあります。
つなぎ資金
例えば建設業で、外注費や材料費の支払いが先に来て工事代金の回収が後となるなど、一時的に資金が必要なときに、その数ヵ月の資金不足をつなぐ融資です。
季節資金
例えば衣服製造業のように、季節ごとに在庫備蓄の時期と、在庫放出の時期の差が大きいなど、資金不足となる数ヵ月をつなぐ資金です。
賞与納税資金
賞与や納税は一時期的に大きな支払いとなるが、その支払いのための融資。
次の賞与や納税の時期までの短期返済となる。
このような融資は、銀行にとっては出しやすいものです。
なぜなら、返済期間が短いこと、そして資金の使い道が明確であることが理由です。
いきなり銀行に、3,000万円、返済期間3年で、使用使途が運転資金のプロパー融資を申し込んでも、
審査を通るのは厳しいでしょう。
そのため、500万円、返済期間6ヶ月の賞与資金のように、銀行が審査を通しやすい融資の申し込みを行います。
そして審査が通って、滞りなく返済できたら、それがその企業のプロパー融資実績、返済実績となります。
そしてその次には1,000万円、返済期間1年の融資を申し込むというように、少しずつプロパー融資のかたちを広げていきます。
そうやって、銀行からプロパー融資を受ける道をつくっていくのが賢明です。
みなさんも保証協会付融資が滞りなく受けられているもしくは、金融機関から融資の提案営業が来るような経営者様は是非プロパー融資にチャレンジしてみて下さい。