設備投資の資金源の考え方とは 2/2

カテゴリ:銀行融資

 

 

今回は「中小企業と金融機関」銀行取引対応編

「設備投資の資金源の考え方とは 2/2」についてです。

 

   >設備投資の資金源の考え方とは 1/2

 

 

 

不要な資産を売却し借入金を減らす

 

 

金融機関は、企業の借入金の多さを「借入金月商倍率」で見ます。

 

 

借入金月商倍率とは、借入金を月商で割ったもので、次のように計算します。

 

 

例えば、

年商6億円、12ヶ月で割って月商5,000万円、借入金が2億円の企業の場合。

 

 

  借入金2億円÷月商5,000万円=4ヶ月

 

 

このように、この企業の借入金月商倍率は4ヶ月となります。

 

 

金融機関は借入金月商倍率を、次の水準で見ます

※ただし、不動産賃貸業や旅館業など、設備投資のために

大きな借入金が必要な業種は除きます。

 

 

 

基本的な水準は下記の通りです。

 

 

 

適正・・・0~3ヶ月

 

多い・・・3~6ヶ月

 

過大・・・6ヶ月~

 

 

 

金融機関から、その企業の借入金が多いと見られると、

新たな融資審査は慎重に行われることになります。

 

 

肝心なときに融資が受けられるように、

借入金規模は適正にしておきたいところです。

 

 

借入金規模を適正にするということは、事業に必要な借入を行う、

必要でない借入は行わない、ということです。

 

 

事業に必要でない借入を行うと、それだけ借金が増加し、

借入月商倍率は上がってしまうことになります。

 

 

 

ちなみに以下が「事業に必要な借入」「事業に必要でない借入」を区別したものです。

 

 

 

■事業に必要な借入

 

・事業に必要な在庫を抱えるための資金

・売掛金が回収となるまでの立替資金

・製造に必要な工場・機械などの設備資金

・販売に必要な什器などの設備資金

 

 

 

■事業に必要でない借入

 

・不必要に高額な車購入資金

・不要な自社ビル建築資金

・社長の遊興費に流用する資金

 

 

事業に必要でない借入をしている会社の具体例

 

 

例えば

年商2億4,000万円の会社に、現在の借入金が4,000万円あるとします。

 

 

この場合、借入月商倍率は2ヶ月で、借入金水準は「適正」となります。

 

 

しかしこの会社が、不動産会社の勧めで、自社ビルを1億円で購入し、

すべてを借入金で賄ったとします。

 

 

そうすると借入金は1億4,000万円となり、借入月商倍率は7ヶ月となり、

借入金水準は「過大」となります。

 

 

この状態のときに、運転資金を借り入れる必要があって

新たに融資を申し込んでも、現在の借入金水準が「過大」のため、

融資審査が通りにくくなります。

 

 

このように、事業に必要でない借入を行うと、それだけ、

今後本当に必要な借入を行おうとするときに、融資を受けることが難しくなります。

 

 

借入を行うには事業に必要な場合にとどめておくべきです。

 

 

一方で現在、そのような不要な資産があり、それだけ借入金が

膨らんでしまっている場合は、不要な資産を売却して、

その分、借入金を減らしたいものです。

 

 

 

なにはともあれ、融資を金融機関から受ける際は

計画的に受ける必要があります。

 

 

プロパー融資開拓のために必要ではないが短期工事資金の

つなぎ資金として実績を作ろうということであれば問題はありません。

 

 

ただ、金融機関から営業が来たから、「今は必要ではないが借りてしまおう」と

融資を受けることは極力避けた方がいいかと思います。

 

 

 

経営者の方には、しっかりと「設備投資計画」「人員計画」

「年間の収支計画」「資金繰り」を盛込んだ「事業計画書」を作成し、

それに沿って銀行融資なども計画的に行って頂ければと思います。

 

 

 

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