リスケジュールのタイミングとは 1/2

カテゴリ:銀行融資

 

 

今回は「中小企業と金融機関」銀行取引対応編

「リスケジュールのタイミングとは」についてお伝えします。

 

 

リスケジュールを適切に判断する

 

 

私どもに頂く相談のなかで数が多いものの1つに、

「リスケジュールのタイミングについて」というものがあります。

 

 

リスケジュールにおいてタイミングは重要です。

 

 

このタイミングは、早すぎても遅すぎてもいけません。

 

 

タイミングが早ければ、リスケジュールをしなくても良かったのに

無駄にリスケジュールすることになってしまったり、

タイミングが遅ければ、遅れている間に返済がどんどん進んでしまうので、

資金が枯渇してしまいます。

 

 

 

まず、リスケジュールを行うべきと判断するに当たっては、

銀行からの新たな融資が受けられるかどうかを1つの基準にしていきます。

 

 

 

例えば、

事業におけるキャッシュフローが年間0、

毎月の返済金額が300万円の企業があるとします。

 

 

その企業は、年間3,600万円の返済を行うことになります。

 

 

キャッシュフローが年間0で、返済金額が年間3,600万円あるため、

その間に新たな融資が受けられなければ現金預金は3,600万円減少

してしまうことになります。

 

 

したがって、その企業は年間3,600万円の融資を受けられるように

しなければならないのです。

 

 

しかし、

銀行から融資がまったく受けられなかったり、受けられたとしても

年間返済額3,600万円に到底満たない金額の融資しか

受けられなかったりすると、現金預金は枯渇してしまうことになります。

 

 

それがリスケジュールを行うタイミングです。

 

 

しかし、どこの銀行からも融資が受けられない、ということを

気づくことが遅れてしまい、自社にとって取り返しのつかないことに

なってしまうので注意が必要です。

 

 

 

リスケジュールのタイミングが遅れると

 

 

【A社の場合(融資が受けられない今がそのタイミング)】

 

 

例えば、2012年5月現在、A社の現金預金1,000万円、

毎月の事業キャッシュフローは0、月間返済額300万円だとします。

 

 

今、どこの銀行からも融資が受けられないことが分かったら、

リスケジュールするタイミングは、「今」、ということになります。

 

 

しかし、

今、融資を申し込まず、そこから3ヶ月×300万円=900万円の返済を進めて、

8月に残り現金預金100万円になったところでやった銀行に融資を申し込み、

審査が通らず、どこの銀行からも融資が受けられないということが

分かったとします。

 

 

その場合、リスケジュールを行っても残り現金預金が

100万円しかありません。

 

 

融資が受けられないことに気づくタイミングが遅いのです。

 

 

5月に残りの現金預金が1,000万円の時点で、どこの銀行からも

融資が受けられないことに気づいて、すぐにリスケジュールを行えば、

現金預金1,000万円が残る状態になり、多少は余裕を持って、

経営を行うことができます。

 

 

 

ここから考えると、各銀行のあなたの会社への融資スタンスを

常に把握しておき、リスケジュールのタイミングが遅くなりすぎないように

することが重要であると分かります。

 

 

 

銀行の融資スタンスに関しては、コラム「銀行の融資スタンスを知る」をご覧下さい。

 

 

次回はもう1つの事例も紹介してリスケジュースの

適切なタイミングについてお伝えします。

 

 リスケジュールのタイミングとは 2/2