リスケジュールのタイミングとは 2/2
カテゴリ:銀行融資
今回は「中小企業と金融機関」銀行取引対応編
「リスケジュールのタイミングとは 1/2」の続きについてお伝えします。
リスケジュールのタイミングが遅れると
今回は2つ目の事例を紹介します。
【B社の場合(現預金を最も多く確保するために)】
年間の事業キャッシュフローは0、年間3,600万円の返済があり、
一方で現在は、ある銀行で1,500万円の融資が受けられそう(ただその銀行から
今後1年は追加融資は受けられなさそう)であるが、他の銀行からは融資が
受けられる見込みがない場合です。
この場合、年間で消えてしまう現金預金は3,600万円に対して、
年間で受け取れる融資が1,500万円しかなく、リスケジュールを行いますが、
その1,500万円の融資は、すぐに受けておくべきです。
融資を受けられない他の銀行ではすぐにリスケジュールを行い、
一方で1,500万円の融資を受けられる銀行においては融資を受けておき、
2~3ヶ月返済したら、その銀行もリスケジュールを行うのです。
そうすると、現金預金を最も確保できる状況でのリスケジュールになります。
また、その1,500万円の融資が信用保証協会保証付融資だった場合、
他行での保証付融資のリスケジュールを同時に進めてしまうと、
その1,500万円の融資の保証協会保証は下りないことになってしまうので、
その点も間違えてはなりません。
このように、
各銀行の融資スタンスを見て、
リスケジュールのタイミングが遅くならないようにすることが重要です。
そのためにも銀行融資のスタンス及び、社内での資金繰り表による
資金の管理はしっかりと行っておきましょう。
リスケジュールは早すぎてもいけない
次に、リスケジュールのタイミングが早すぎないようにする、
とはどういうことかについてお伝えします。
リスケジュールでも、リスケジュールをしなくても良いのに
リスケジュールをしてしまっている企業を時々見ます。
特に、金融円滑化法によりリスケジュールという手段が
一般的なものになってから、これが増えています。
まず、銀行から普通に融資が受けられるのに、
その融資を受けることを選択せず、リスケジュールをしてします企業です。
例えば、
年間の事業キャッシュフローは0、年間返済額3,600万円の企業で、
3,600万円の融資を受けられる企業であるにもかかわらず、
これ以上融資を増やしたくないという理由から、ついリスケジュールを
行ってします企業がありますが、この場合は行ってはなりません。
リスケジュールをするということは、銀行から融資が受けられず、
返済負担が大きく場合に取る「次の手段」だからです。
なぜなら、リスケジュールを行うと、
銀行はリスケジュールを行った企業に対しては厳しい見方をする
ようになるからです。
銀行はその企業に対し、リスケジュール期間中は融資を出さないし、
また返済を再開し、銀行との取引関係が正常に回復するのも時間がかかります。
このように、リスケジュールすべきでないのに、
リスケジュールをしてしまう企業は、タイミングが早すぎるのです。
一方で、リスケジュールをすべき時にリスケジュールをせず、
現金預金が枯渇してしまう企業、また枯渇して、それでもリスケジュールをせず、
買掛金や給料などの遅れにしわ寄せをしている企業もあります。
リスケジュールはタイミングが遅くても早くてもいけません。
適切なタイミングでリスケジュールを行うことが大切です。