資金の社外流出で銀行融資が受けられないとは?

カテゴリ:資金繰り

 

 

コラム「資金繰り改善のポイントとは」

 

 

「緊急事態の資金繰り対応」についてです。

 

「資金不足の原因と解決策」編

 

今回は「資金の社外流出で銀行融資が受けられないとは?」についてお伝えします。

 

 

本業に関係のないところで資金が流出していないか

 

 

資金繰りが厳しくなる要因の1つに、本業に関係ないところでの現金の流出、

があります。

 

社外流出には、次のようなものがあります。

 

・業況の芳しくない関係会社に、出資金や貸付金としてお金を出す

 

・社長個人の遊興費に使うためや、経費にできない裏金として使うために、

   社長に貸付金、仮払金としてお金を出す

 

・従業員から頼まれて、貸付金としてお金を出す

 

・取引先の要請などで、取引先の株式や社債を購入する

 

・社長が一攫千金をねらって、会社のお金で上場株式を購入する

 

 

手元に現金があれば、資金を出してほしいと相手から頼まれたり、社長の出来心が

抑制できなかったりして、このように、現金を社外流出させてしまうことがあります。

 

 

決算書に与える影響

 

 

あなたの会社の決算書で、貸借対照表を見てみましょう。

 

このようなことにお金が出ていないでしょうか?

 

お金が出ているのであれば、その分、資金繰りは厳しくなっていることでしょう。

 

また気を付けなければならないことは、これからでお金を出していれば、金融機関は

貸借対照表を見て、その事実をチェックしていることです。

 

 

金融機関がチェックする理由

 

 

1.資産価値を見て、資産価値がなければそれは資産として見ず、差し引いて考える

 

 

2.金融機関が融資をした資金を、融資申し込み時に企業から言われた資金使途(資金の使い道)とは

      別のところに使われていないかを見る

 

 

それでは個別に見ていきましょう。

 

 

資産価値を見て、資産価値がなければそれは資産として見ず、差し引いて考える

 

 

金融機関は融資先企業の信用格付を行いますが、それは、決算書の数値を分析して行われます。

 

価値がない資産であれば、それは資産として見ず、差し引いて見られます。

 

・返ってくる見込みのない貸付金(社長、従業員、関係会社、取引先などへの貸付金)

 

・価値のない株式(関係会社、取引先などの株式)

 

などは、差し引いて、金融機関は信用格付を行います。

 

それを資産から引いた後、実質的に債務超過(貸借対照表の純資産、つまり純資産から総負債を

引いた数値がマイナスとなること)となるのであれば、新規融資が難しくなってきます。

 

 

金融機関が融資した資金を、違う目的で利用した

 

 

金融機関は、資金使途違反、つまり融資申し込み時に企業から申し込みのあった資金の

使い道と別の使い道をされていないか、チェックしています。

 

決算書を見るなどして、融資で出た資金が関係会社への貸付に流れた、取引先への貸付に流れた、

社長への貸付に流れた、というようなことが分かってしまったら、金融機関はその企業を信用

しなくなり、今後は新規融資を出さないだけでなく、資金使途違反した融資の回収をせまって

くるでしょう。

 

このように、現金が、本業に関係ないところで社外流出することによって、現金が少なくなって

資金繰りが厳しくなり、また金融機関でも融資審査が厳しくなり、ますます資金繰りが

厳しくなります。

 

社外流出は避けるようにしましょう。

 

会社の資金繰りにとって、良いことは1つもないです。